「イノセンス」

前作 Ghost in the shell (攻殻機動隊)の続編。前作を見てないとつらいかも。始めに言っておくと、押井守はかなり好きだ。あのどうしようもない原作の攻殻機動隊士郎正宗)の設定だけもってきて前作のような作品に仕上げるなんてスゴイと素直に思う。
今作では、「何故人間は自分に似せた人形を作りたがるのか」ということから人間と人形の違いは何か(そもそもあんのか)というテーマをゴリゴリと押井節で見るものに押し付けてくる。こーゆーテーマをしっかりとストーリーに乗せて見せられる才能は流石。余談だがワタシは「ニンゲンなんてただの有機ロボットよん♪」と主張して切支丹や回教徒の方々に猛反発をくらったことがある。おそらく彼らにとってニンゲンは魂(Ghost in the shell で言うところの ghost ねん)を持つ存在として人形とは明確に区別されるのだろう。
問題はいつものことながら押井ワールドが炸裂すると展開がマッタリしてしまうこと。炸裂した場合の最悪の例が Avalon と言えるかと。要するに祭りのシーンとかイラネと。ストーリーにもテーマにも関係ないじゃないか。エンターテイメントとしては全体的にもうちょっとテンポが欲しい。眠くなる。個人的には押井色の無いテレビシリーズの STAND ALONE COMPLEX や S.A.C. 2nd GIG の方が好み。
あと、トグサの娘がトグサに似すぎで気持ち悪い。余計なリアリティーはいらない。